5.違法者 後編

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でも、やっぱりあたしだって女子だ。 男性とずっといると疲れるときもある。 こういう時間って本当に大事だなとしみじみと思った。 それに、この環境を我慢した甲斐があるというもの。 そのおかげで今この時も焼き肉があたしを待っているのだから。 にこにことしながら大通りに出てタクシーを拾おうとしていたせいかな。 気がつかなかった。 真後ろにあったはずの、人の気配に。 「……っ!」 声が出なかった。 何が起きたのかも、分からない。 気がついたときにはあたしの視界は反転していて。 ほとんど日が暮れた群青の色の空の色が見えた。 脇腹がめちゃくちゃに痛い。 いや、それだけじゃない、あちこちが痛い! 無様に地面に倒れこんでいるんだと理解したのは、結構遅かったと思う。 「い……った!」 顔を歪めて腹を押さえた。 何、これ。 何なの? その疑問に答えるかのような声が、あたしの頭上に降り注いだ。 死神の声が。 「っふふ」 「………」
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