5.違法者 後編

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先ほどまでの嗜虐的なものから、氷のように鋭く、冷たいものへと。 「……っ!」 まずった。 シマにとって何が地雷か、分かっていなかった。 なぜあたしのことを執拗に狙うのかも。 理由とか詳しいことなんて知ったこっちゃないけど。 シマは。 あたしがイツキさんのもとにいるのが嫌なんだ。 嫉妬のような、嫌悪のような。 あたしに向けられているのは、そんな感情。 そういう感情を抱く相手に、何を言っても無駄だ。 化粧が溶け出すほどの汗が頬を伝った。 「なんで、お前なんかが先輩と……」 小さなその言葉が耳に届くか届かないか。 シマはあたしの肩に手を伸ばして。 そして。 ばきん、と耳障りな音が響いた。 「っうあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 肩が爆発したんだと思った。 痛い。 熱い。 何が起きたのかが分からなかった。 「プっ、あはは!」 肩を押さえてのたうち回るあたしをシマが笑う。 「うーわ、肩の形、気持ちわるっ!」
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