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先ほどまでの嗜虐的なものから、氷のように鋭く、冷たいものへと。
「……っ!」
まずった。
シマにとって何が地雷か、分かっていなかった。
なぜあたしのことを執拗に狙うのかも。
理由とか詳しいことなんて知ったこっちゃないけど。
シマは。
あたしがイツキさんのもとにいるのが嫌なんだ。
嫉妬のような、嫌悪のような。
あたしに向けられているのは、そんな感情。
そういう感情を抱く相手に、何を言っても無駄だ。
化粧が溶け出すほどの汗が頬を伝った。
「なんで、お前なんかが先輩と……」
小さなその言葉が耳に届くか届かないか。
シマはあたしの肩に手を伸ばして。
そして。
ばきん、と耳障りな音が響いた。
「っうあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
肩が爆発したんだと思った。
痛い。
熱い。
何が起きたのかが分からなかった。
「プっ、あはは!」
肩を押さえてのたうち回るあたしをシマが笑う。
「うーわ、肩の形、気持ちわるっ!」
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