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そこまで言ってあたしは言葉を飲み込んだ。
カップ麺コーナーに入ってきた一人の男性と目が合って。
「……うわ、まじかよ」
「……っ」
彼はあたしにもたれかかっているイツキさんを見て、それからもう一度あたしを見た。
その目に宿るのは嘲笑の光。
汚いものを見る目。
それが嫌で、怖くて。
胃が絞られるような不快感を示した。
「先……輩……」
「もう次の男見つけてるとか、終わってるね。小野さん」
吐き捨てるように先輩はその場を去って行った。
ほんの一瞬のこと。
わずか一分にも満たない時間だった。
でもあたしは。
あたしには。
「何あれ」
イツキさんの呆気に取られたような声が聞こえた気がしたけど。
も う な ん か す べ て が ど う で も よ か っ た
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