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2.転居
「あああーちょっ、やばいです」
「ええっもうちょっとだから頑張ってっす!」
「いや、無理……黒子さんっ!」
「ちょっとおおお!」
どすんという振動が部屋中を揺らした。
それはとある土曜日の朝のこと。
階段を上がりきったところであたしと黒子さんは二人で大騒ぎを起こしていた。
「……君ら、朝からはしゃぎ過ぎじゃない?」
掠れた声で姿を現したのは、イツキさん。
ボサボサ頭にジャージ。
明らかに寝起きという格好。
呆れた表情であたしたちを見ている。
「そんなこというなら手伝ってくださいよ、所長」
「手伝うよ、手伝うけど早くない?まだ七時半だよ」
「早く始めないと今日中に終わんないっすよ、旭さんの引っ越し」
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