時間ループのマジック

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時間ループのマジック

その日の夕方、時間箱の借主である未亡人・枝美子(45歳)と子供が骨董屋に現れた。 子供は二人。光一(21歳)と弓子(21歳)、双子の兄妹だが容姿はそれほど似てない。 その家族が隠し部屋に招かれて、六角形のアンティークテーブルの席に着いた。上面にはカードゲーム専用のグリーンラバーが貼ってあり、天井には太陽神ラーの目(右眼)のランプが怪しく灯っている。 「それではこの店の主人(あるじ)である私の方から話を進めさせてもらいます」 幸太がそう言うと、さっそく息子の光一が文句を言い始めた。 「ここで手品でも見せようってのか?もうインチキだってわかってんだよ」 「そうよ。こんなのに契約料100万ってなんなの?」 早くも時間を盗んだ兄妹が文句を言っている。しかし閲覧料が永久に見放題なんて安いもんだぞ。 「まー、そう言わないでください。こっちは盗まれたのに、それを証明してあげようって言ってるんだからさ」 そして未亡人・枝美子は無言で高級ハンドバックからタバコを出して吸い始めた。ファションも派手で、落ち込んでいるようには見えなかった。 「それでは早速、盗んだ物を返してもらえますか?」
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