【音読済】私の傘は役立たず

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【音読済】私の傘は役立たず

私の傘は役立たずである。なぜなら、その傘を持って出ると、降水確率100%でも、どんなに曇天でも、雨が降らず、その傘を開くことがなく、使わずに、いつもただブラブラと持って帰っていた。だから、ある時から絶対に雨が降って欲しくない日には、その傘を必ず持って外出するようになった。 もちろん、デートの時には欠かせなアイテムだったが、曇天の降水確率が80%の日、彼と食事したあと、私はお店を出るときわざと店に傘を忘れた。 すると、待ってましたとばかりの土砂降りに遭遇し、雨宿りのためと彼をホテルに誘導した。もちろん、目的を果たした後、傘を忘れたとお店に連絡し保管してもらい、その傘は後日お店から回収し、彼との結婚式、新婚旅行、子供の運動会等、必要なときに持って外出した。
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