8人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
仲のいいおじいさんおばあさんのおはなし
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんとおばあさんはとてもなかよしです。朝も昼も夜もずうっといっしょ。なかよきことは美しきかな。
しかし、幸せな時間というものはいつまでも続くわけではありません。ある日、おばあさんはねむったまま目をさまさなくなってしまいました。のこされたおじいさんはひとりぼっち。ずっと、ずうっと涙を流し続けたおじいさん。涙はやがて川になり、海になり。おじいさんがふと水にうつった自分のかおをみると。
なんと。後ろにおばあさんがいるではありませんか。
「ああ、ずっとそばにいてくれたんだね」
おじいさんがそう言うと、おばあさんはにっこり笑います。良かった。また一緒にいられるんだ。もう絶対手をはなさない。さあ、積もる話がたくさんある。まずは話そうかな。
こうして二人はまたしあわせにくらしましたとさ。めでたしめでたし。
....おや?どこからか声がきこえてきます。
「ねぇ、しってる?お向かいのおじいさん、なくなったそうよ」
「まあ、お向かいといえば変人で有名なあの人ね」
「そうそう。いっつも一人でぶつぶつ話してて、だあーれもいないところに嬉しそうに話しかけてたわよね。あたし、気味がわるかったからあんまり近よらなかったわ」
「わたしもよ。あれっていったい、誰に話しかけてたのかしらね?まさか....ゆうれい、とか!」
「やぁだ、怖いこといわないでよ。それより、スーパーの特売、早くいかないとなくなっちゃうわよ」
「あ、そうだったわね。いきましょう」
....めでたし、めでたし?
最初のコメントを投稿しよう!