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「死にたいんだろう?」
そう問いかけられて紫は腹を括った。
「どうして分かったの?」
「佐良山、もっと気をつけた方がいい。お前一人だけ献花の時おかしかったんだよ。異様に津山の死体を見てただろ? みんなあんなもん見ていられないって感じだったけど。佐良山は隅々まで見逃したくないって感じだった。死体に興味がある理由を考えたんだ。ひょっとしたら、レズビアンの死体愛好なのかとも思ったけど、津山がどうやって死んだのか俺に聞いただろ? その時ピンと来た。佐良山の目的は津山雅の死因だと思った。あんな必死な形相で献花してた理由は自分が死にたいからだ。違うか?」
弓削の自宅のマンションに着いたのは15時ごろで既に弓削の母と児童相談所の職員が待ち構えていた。紫がいたお陰で挨拶程度で面談が済み、弓削の母親からは感謝された。
学校から出されている課題のチームがたまたま弓削と紫は同じだったのでうまく言い繕って弓削の部屋で話をすることになった。
紫マザーGはリビングに待機し、弓削の母親と話をしているようだった。これなら紫が動揺さえしなければ秘密は守れるだろう。
ゆっくりと深呼吸をした。
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