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 紫の両親は二人とも大手企業でAIの管理をしている共働き夫婦だ。完全にシングルで子育てをしたり、グループホームで子育てをしている親も多いが、それでも、最も多いのが共働き夫婦で、育児で揉め事が多いのもこの形の世帯だ。  2100年頃まではこの形の世帯のいわゆる世帯主は育児義務年数の18年をマザーGに育児をしたと認めて貰えず、老後7年間無償で介護施設等で労働せざるを得なかった。この頃の世帯主はまだマザーGの存在とパートナーを軽んじていたからに他ならない。  老後7年の滅私奉公をメディアなどは高らかに報じたことにより、少しずつ育児義務年数に関する正しい知識を得ないととんでもないことになると多くの世帯主に実感させた。  マザーGがこどもを産むことで、多くの女性が社会で活躍しやすくなり、マザーGが育児を監視することで両親の育児に関する負担は限りなく等しく分配されている。
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