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 マザーGは最新式のアンドロイドであるがゆえに様々なことが行えるわけなのだが、大きな欠点がひとつだけある。それは一日あたり二時間の充電時間が必要だということだ。  その充電時間を設定しているのは親なのだが、紫の両親は大らかな性格であるため、充電時間をランダムに設定したりはしない。毎日午前二時から四時までだ。この間スリープモードのマザーGが感知するのは自らが産んだ子どもの生体反応が落ち着いているかどうかだけだ。  たった二時間の充電中に虐待死してしまったこどもがいたためこどもの安全だけは確保できるように設定されている。  虐待死が感知されるなら、当然自殺も感知されるものと紫は考えている。死ねないのなら充電期間を利用しようと思うことなどなかったのだが、弓削から提案されたのはこの充電時間を利用することだった。マザーGがついてくることができないこの時間に津山雅の秘密を暴くのだ。
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