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「おじい様、おばあ様、そして皆様、本当にありがとうございました」
家から外に出た。外は太陽が照らす暑い日だった。俺は青い空を見上げる。太陽を見ないようにしながら、手でひさしを作る。
昼間なのに自分の母星をいつの間にか探していた。お尻まである長い黒髪が邪魔だ。
そして、地球の方には申し訳ないが、はっきり言ってこの服は動きづらい。俺はずるずる裾を引きずらせた。そのまま、墜落地点である竹やぶに向った。そこでこっそり救助を待つのが、一番迷惑がかからないだろう。
竹やぶに入ると、カシャっと言う、聴きなれない音が何度もする。その音の方向を見ると、一人の男性がカメラで俺を撮影していた。
「十二単のお姫様だ。美しい……」
「写真を撮らせてください」
他の人も集まってきた。囲まれてしまった。おじいさんが大声を出しながら、肩で息をしながら走って来る。
「うちの娘は、見せ物じゃありません。撮影はお断りします。さあ、かぐや、家に戻りなさい」
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