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【職業選択の自由~あはは~ん♩】
よし、ひとまず仕事を探すか。
と言っても身分を証明できるものもないし、お金もないから履歴書も書けんなぁ、どうしたもんか。
ま、案ずるより生むが易しというしな。
職安にでも行ってみよう、バブル時代だし仕事なんていくらでもあるさ。
職安の受付で「仕事を探しているのですが」と聞いてみたら
「あちらの棚に求人票があります。」と案内された。
なるほど、好景気というだけあってあるわあるわ。
棚に入りきらずに壁一面に求人票が張り出されている。
ひとまず生活費がないと困るからな。
日雇いの仕事ってのはあるのかな。
そんなに体力に自信もないから肉体労働系は無理だな…と
いくつかピックアップしていき、受付担当に持っていく。
「はい、お伺いします。こちらの職をご希望ですね」
「はい」
「失礼ですが、このお仕事相当にキツイですよ」
「そんなにですか」
「はい、いわゆる3K職種というものでして」
「3K?」
「あれ、ご存知ないですか?キツイ、汚い、給料が安いという職のことなんです」
「へぇ」
「でも、ボーナスが年二回で六か月も出るって書いてありますが…」
俺が就職した頃に比べるとすごくボーナスの額が多そうなんだが…
「それはですね…」
「それは?」
「基本給が安いんです。あとキツイ仕事をやらされて、みんなすぐ辞めちゃうんで実質ボーナスなんて無いんですよ」
「詐欺じゃん」
「まぁ、お仕事を辞めること自体は自由ですからねぇ」
じゃあ、別の仕事を探すか…と
席を立とうとした時に、職員さんの机の上にちらっとパソコンという字が書いてある求人票が見えた。
「その求人票見せてもらっていいですか?」
「ええ、どうぞ。」
【(求む)パソコンを使った作業が出来る方。SE、PGの募集】
「以前求人の受付をして貼り出していたんですが、あまりにも希望者がいないので片付けてしまおうかと思ってたんですよ」
「これ、受けます。」
「コンピュータ出来るんですか?」
「はい、少しやってまして」
「へぇ、珍しいですね。」
「応募期間は…っと。あ、今日までですね」
「では、こちらの会社さんに連絡してみますね」
ピ、ポ、パ・・・
「お世話になっております。職業安定所の丸山と申します。
はい、いただいております、求人を受けたいという方がいらっしゃっているのですが…
はい、あ、面接ですか」
「あのう、ぜひ面接をしたいとのことなんですが、ご都合のいい日はありますか」
「なるべく早くお願いします」
「はい、なるべく早くとのことで・・・、はい」
「この電話が終わった後すぐでも大丈夫ですか?」
「すぐ行きます!」
「はい、すぐ大丈夫だそうです。はい、ではよろしくお願いします」
「どうでしたか?」
「すぐにでもお会いしたいとのことです。
では、会社の所在地がこちらとなっていますので時間に遅れないようにお願いしますね」
「はい、では行ってみます。」
「決まると良いですね!」
「ありがとうございます。」
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