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「は? ……すまん。も一回言って?」
秋連が告げた言葉が理解できなくて、俺は思わず間の抜けた声を出す。
「だから……代わりに俺の恋愛に付き合えと言ったんだ」
吐き捨てるように再度発せられた言葉に、俺の思考回路は一瞬停滞する。
「お、お前の……恋愛?」
秋連のことだからそういうのもそつなくこなせるはずだ、と勝手に思い込んでいた。
だから、まさか俺にそんな相談をしてくるなんて思いもよらなくて――。
「当たり前だ。他人のなんて持ち出しても仕方ないだろ」
でも、眼前の悪友は、真っ直ぐに俺の目を見てしっかりと頷いた。
そう、これは夢じゃない。
何度も目をしばたたく俺を見て、秋連が不機嫌そうな顔をする。
「何だ? 嫌なのか?」
「い、いや、そういうわけじゃっ! っちゅーか、寧ろむっちゃ関わりてぇ!」
面白すぎる!
『悩み? んなもんあるわけねぇだろ。お前はいつもあっちこっち悩み事だらけで大変だな』
そんな雰囲気で、幼い頃から万事において俺なんか足元にも及ばない秀でた才能を発揮していた秋連から恋愛相談を受けるだなんて!
自分が同じ事で彼に相談を持ちかけていたことすら吹っ飛んでしまうぐらい、それは愉快過ぎる申し出だった。
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