3

2/3
129人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「じゃあ、付き合うんだな?」 「もちろん!」  真剣な顔をして俺の顔を見下ろしてきた秋連(あきつら)に、俺は二つ返事で肯定の意志を伝えた。 「――では、遠慮なく」  途端、ニコッと極上の笑みを浮かべた秋連を、俺はただただポカンと見上げる。  と、次の瞬間――。  いきなり秋連に深く口付けられて、俺は何が何だか分からなくなった。 「ご馳走様」  ニヤリと笑って遠ざかって行く秋連の顔を見詰めながら、己の身に何が起こったのかを懸命に考える。  秋連の顔が、俺の上に落としていた影が消えてから、俺はやっと正気に戻った。 「お、おまっ、一体何を……っ」  いや、何をされたのかは理解出来ているけれど……何でそんなことされなきゃなんねぇんだ!?  混乱しまくる俺を見て、秋連が「何を今更」とつぶやいてニヤリと笑ってみせた。 「忠成(ただなり)。お前、俺の恋愛に付き合うって言ったじゃねーか」  言った! ああ、確かに言ったとも! 「でも、それとこれとは関係な……」 「大有りだ」 cc5e5288-84f1-442f-ae95-12864dcc19d6  まだ分からないのか、と呆れた顔をすると秋連は、 「俺はお前がどんなに汗臭かったとしても……恐らくそうだとは感じ取れん」  そう言った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!