129人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「じゃあ、付き合うんだな?」
「もちろん!」
真剣な顔をして俺の顔を見下ろしてきた秋連に、俺は二つ返事で肯定の意志を伝えた。
「――では、遠慮なく」
途端、ニコッと極上の笑みを浮かべた秋連を、俺はただただポカンと見上げる。
と、次の瞬間――。
いきなり秋連に深く口付けられて、俺は何が何だか分からなくなった。
「ご馳走様」
ニヤリと笑って遠ざかって行く秋連の顔を見詰めながら、己の身に何が起こったのかを懸命に考える。
秋連の顔が、俺の上に落としていた影が消えてから、俺はやっと正気に戻った。
「お、おまっ、一体何を……っ」
いや、何をされたのかは理解出来ているけれど……何でそんなことされなきゃなんねぇんだ!?
混乱しまくる俺を見て、秋連が「何を今更」とつぶやいてニヤリと笑ってみせた。
「忠成。お前、俺の恋愛に付き合うって言ったじゃねーか」
言った! ああ、確かに言ったとも!
「でも、それとこれとは関係な……」
「大有りだ」
まだ分からないのか、と呆れた顔をすると秋連は、
「俺はお前がどんなに汗臭かったとしても……恐らくそうだとは感じ取れん」
そう言った。
最初のコメントを投稿しよう!