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自己紹介
何故か理事長室に陣取っていた勘解由小路は、入ってきた紀子の顔を一瞥して言った。
「おう。何してたんだ?田所」
「ってか何で理事長室にあんたがいるのよ?」
何故かさっきの男が先導した先にいたのがこいつだった。
「文化祭で鵺春に完全勝利したんで俺の部屋になった」
ため息を吐いて紀子は言った。
「私達は禍女の皇対策中」
「お前等が気にすることではない。流紫降に任せてある。今頃どうせ悪魔を製造中だろう。多分ゲインかダーマーか、変態度を考えるとゲイシーって手もある。それでーーおお。勇者ブロンズ犬が嫁と愛人連れてきたか」
「久しぶりだなゴーマ。あとブロンズ犬はやめろ。ジョナサンだ。ジョナサン・エルネストだ。フラさん、彼女を覚えてる?ゴーマの奥さんだ」
「マコトさん。お久しぶりね」
「あら。フランチェスカさん。お元気そうで何よりです」
小さく手を振り合う嫁さん達の姿があった。
「ああ。覚えていますわ。こっちの方でしたわね。先生は忘れたいのでしょうが」
「あああ。うん。あれはノーカンな。酔ってたし」
「誰も忘れてないわよダーリン。みんなですり潰したし。ペーストナッツみたいに」
「って言うかまた飛ばされたのか?」
その件に関してはあえて口にしないと共通認識が出来上がっていた。勘解由小路はそう聞いた。
「そうじゃないんだな」
勿体ぶって犬っぽい男は言った。椅子に座った。嫁その他全員が座ったので、ジョナサンは勢いよく言った。
「魔王が頑張ったんだ!三芝にばっかりいい顔させんと!それでな?!ついに完成したんだ!異世界を繋ぐ転移方陣が千代田区にな!今回はアポなしで総理と会ってきた!国交を結ぶ!アカデミーと日本がな!今回はフラさんだけと思ったがみんなついてきちまった!どうしよう?!」
王様は困っていた。
「そんなのは知らん。いいんじゃないか?公用語が日本語の異世界なんてそうはないだろうしな。アカデミーまで12キロルって書いた看板はまだあるのか?」
「ああ。それに伴って単位も改正した。キロルはキロに。メトルはメートルになった。魔王の話じゃ元々そうだったが訛っちまってルがついちまってた。お前等の世界に魔法が入ってくるんだ。凄いだろう?ただこのままいきなり国交を結ぶのは無理だって話になった。誰が魔法使いか解らんのは治安上不味いって話になってな?それに合わせてまずこっちから人を1人送ることになった。ちょうどいい人間がいたんだが。年齢的にも実力的にもちょうどいい奴がいた。だがびっくりすることにいきなり妊娠したっぽくてな?アルテミシアって奴だったんだが」
「手を出したのか?」
「いや、そうじゃねえよ!お前も覚えているだろう?お前がアカデミーに来た時世話になったジョエルって奴がいてな。アルテミシアが生理が来ないってなって、父親が誰だってなった。ちょっとした騒ぎになった。正確にはジョエルが殺されそうになった訳だ。おさびし村の5歳児レベルの父親に。ややこしいがほぼ地上最強のオヤジなんだ。みんなで取り押さえたんだ」
何のこっちゃだった。5歳児が最強って。
「あのホストの建前だけを拡大解釈したような奴か?ふうん。そんなに手が早い奴だったか?」
「いや。ジョエルは真面目に責任取ることになりそうだ。アカデミーでも最高なハイディング技術の持ち主で、国の警備担当のトップの1人が、大きなお腹抱えて学校の生徒するって訳にもいかん。そこでな?俺の弟子を連れてきた。紹介しよう。ユーリディス・ニルバーナだ。15歳で魔法剣士だ。俺、と言うより実質フラさんの弟子だ。だから強いぞ?」
立ち上がったのは少年のように髪を切り上げた目つきの鋭い少女だった。
「王先生よりこちらでお世話になれと命じられました。ユーリとお呼びください」
「まあなんだ。異世界で勝手に結婚とか妊娠したら不味いだろう?絶対そうならない人材を起用した。お前等は祓魔官とか言うモンスターハンターだろう?変化球投手が1人いた方がいいだろう?」
「ふうん。いいんじゃないかな?こいつのことはまだ未公表でいいのか?異世界から来たって解れば大騒ぎだぞ?アースツーだっけか?何でアースツーなんだ?そう言えば」
「神が作ったもう一つの地球らしいんでアースツーだ。まだ国交がきちんと決まってないんでな。それで頼むよ。ああ、それで一つ相談なんだが、ゴーマ」
「言ってみろジョナサン」
「今回の件で、みんなついてきちゃったって言ったろ?」
「ああ、嫁と、おっぱいの大きい双子産んだ女王と」
「ミラージュよ。ミラージュ・デラ・ウィンシュタット・エルネスト。みんなマリルカって呼んでるけど」
プラチナブロンドが言い、
「別のおっぱいの大きい首相と」
「西の大陸ウエストランドの首長、エメルダ・パストーリ・エルネスト」
ショートヘアーの巨乳がどこを見ているか解らない風に言い、
「あとはあれだ。貴族の娘と」
「アリエール・リトバール・エルネストですわ」
ゴージャス系金髪縦ロールが言い、
「王子系の複雑な性を抱えている娘と」
「イゾルテ・フレイア・エルネスト。エロい素敵な奥様をお連れですね」
赤髪の王子系女子が言い、
「あとは何かよく解らないのが」
「それはきっと私です。イシノモリ・ユノ・エルネストです」
エルネストばっかりよく集めたわね。
「全員産んだのか。お前の子を」
「ああ。そうなんだ。全員出産して、ちょっと落ち着いたんだ。それでね?あの、そんなに大きくなくていいんだ。免許はないけど車の運転出来るし。あのね?どっかに温泉とかってない?」
勇者ジョナサン・エルネストは、家族サービスの必要性を感じていた。
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