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母の眼差し
こうして、ヒルとヨルのせめぎ合いは終焉を迎えました。ヨルの国の人々は、人間たちへ休息を降らせるために昼夜問わず――とは言いませんが、しっかり休みながら、きちんと働きました。
そうやって暗闇を躍動し続け、まだまだ充分とはいかないまでも、一定の成果は挙げたようです。
深夜にも煌々としていたコンビニエンスストアは夜の11時には店じまい、繁華街の飲み屋も0時までには明かりを落とし。四六時中ひっきりなしに動いていた工場も夜には寝かせてあげましょう。もちろん道路を走るトラックなんてもっての他です。皆みんな、お休みなさい。
活動。すなわち、生産する時間、消費する時間。これを減らせば、休息が生まれる。行き過ぎた便利を捨てれば、無駄な物や労力は生まれずに済む――。
スイのマニフェストは、ここに達成のための第一歩を踏み出したのです。
夜には皆、すべからく夢の中へ。しっかりと憩い、また明日には満タンのエネルギーを燃やして。恋に仕事に勉強、遊びへ情熱を注ぎましょう。そうしてバランスを大切にすればきっと、皆が笑顔になれる日も、来ると信じて。
そんなことを、スイの寝顔に思うのでした。
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