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「あ、起きた?」
「え?」
目を覚ますと何故か沙希ちゃんとこのおばさんがいた。
「瑠衣は何も話してないのね」
おばさんは困った子ねって言いながら笑っていた。
「瑠衣はね沙希のお兄ちゃんなのよ」
「あ、前に沙希ちゃんが話してくれてた"お兄ちゃん"が瑠衣さん?」
「そ。昨日、今日来てくれって教頭先生から連絡きて学校に行ったわ」
「そう」
瑠衣さんいないのか……。
「晶くん朝ごはんまだでしょ?何か食べる?フルーツとお粥しかないけど」
「フルーツ」
「待っててね」
とりあえず。
ダイニングの方へ。
「大丈夫?熱あるからキツイでしょ?」
「でも。ずっと寝てる方がキツイから」
「晶くんが好きなモノばかりあの子用意してるのね」
おばさんは笑いながら冷蔵庫をのぞいていた。
「ね、晶くん?」
「何も心配しないで、今はゆっくり体を休めることだけ考えて?」
「え?」
「何て言うの?瑠衣がねかなり心配してたのよ?あと……沙希も」
沙希ちゃんは俺の婚約者だった女の子で。
去年の冬。
婚約を解消した。
俺が瑠衣さんを好きだから。
だから。
あのまま婚約してたらダメだと思ったから。
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