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「あっちゃん!」
「沙希ちゃん」
火山沙希。
火山財閥の令嬢で俺の婚約者だった女の子。
とても可愛くて健気で素直でいい子。
沙希ちゃんは可愛いし、いい子だと思う。
でも。
そのままじゃいけないから。
俺は沙希ちゃんに婚約解消を申し出た。
*********
「あっちゃん。話って?」
「うん。あのさ、俺との婚約を解消して欲しいんだ」
「なんで!?」
順をおって説明しなきゃいけないのに。
「沙希ちゃんのこと嫌いじゃないよ?でもさ俺、他に好きな人いるんだ」
「私じゃダメ?」
「うん。沙希ちゃんよりも好きなんだ」
「……聞いてもいい?好きな人ってだれ?」
まさか聞かれるとは思わなかったから正直に話していいか迷ったけど。
「兄さんの友達……」
「え?男の人?」
「……気持ち悪い?」
「何で?言わせたい人には言わせたらいいじゃない」
そして。
それから俺たちは友達のような関係に戻った。
一緒に遊んだりとかは相変わらずしているけど。
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