序章

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序章

〇裏路地(夜)    1695年・江戸市街    表通りから一本裏へ入った狭い路地    人気が全く無く暗い    慎太と与太郎が何らかの因縁の最中    そこに宗晴が割り込み    慎太を引き離す    その拍子に地面に尻もちを付く慎太    慎太にゆっくり歩み迫る宗晴 慎太「ちょっと待てよ! 先に因縁を付けてきたのは向こうの方だぜ?」 宗晴「そうなのか?」 与太郎「全くのデマでさ」 宗晴「だそうだ。 大人しくコイツに治療費を出して 手打ちって事にしてくれないか? さもなくばこの案件、 俺が引き継ぐぜ」 慎太「ふざけるな!」    殴りかかる慎太    宗晴これを避け、みぞおちに一発    気絶する慎太    慎太の懐を弄り、財布を取り出す    財布には僅かな小銭    金を奪う宗晴 宗晴「(舌打ち)シケてやがる」    空の財布を慎太に放る 与太郎「上手く行きやしたねアニキ!」    与太郎の取り分を分け与える宗晴 宗晴「与太、 お前もう少しマトモな奴に吹っ掛ける事は出来ねえのか? こんな野郎、手荒い癖に ロクな銭も無えのは良く分かるだろ」 与太郎「いや、そうなんスすけどね。 最近は金をゆするよりも、 アニキの暴れっぷりが見たくて。 ついつい」 宗晴「(微笑む)馬鹿野郎。 さて、コイツが起きる前にずらかるぜ」    先に表通りに出る与太郎    少しの間を置き    宗晴も出ようとする時    近くの物陰に    何かが潜む気配に気づく 宗晴「誰だ!」
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