強がりは雨傘に隠して

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「槙……」 「っ待って、まだ断らないで! わかってるから、篠田の答えは。だから……今はまだ言わないでほしい」 槙は慌てたように手を突きだして、私の言葉を制した。 違うよ、槙……私が言いたいのは…… 「ありがとう、槙の気持ち嬉しい」 私が次の恋に進めるには、 もう少し時間がかかるかもしれない。 だけど…… 二度目の失恋をしたのが、槙の隣でよかった。 泣けたのが、槙の隣でよかったよ…… 「…………篠田が素直だと調子狂うな」 槙は、困ったように眉を下げてくしゃりと笑った。
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