第1章:First Sight

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***** 14年前…15歳の春、 俺がその人を初めて見たのは 開陵高校入学式の時だった。 3年生の生徒会長と紹介され 在校生代表として祝辞を読んだ櫻井優一(さくらいゆういち)は、 セットしてあるマイクを 自分の高さにあげなくてはいけないくらい身長が高く 肩も広くて体格は大人の男性そのものだった。 ブカブカのブレザーを着た俺たち一年生とは違い、 自分の体型にきちんと合ったものを着ていて、 それだけでカッコ良く見えたのだが、 落ち着いた低い声に、クールな眼差し、 そして、体育館の天井窓からスポットライトのように降る光に 照らされる姿が神々しく見えて、 息をするのを忘れるくらい、ただただ見とれていた。 彼がステージ上にいたたった3分の間で 今まで生きてきた世界が モノトーンだったかと錯覚してしまうくらい 何もかもが綺麗に色づいて見える世界へと変わった。 一目惚れだった。
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