第1章:First Sight

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「もうお会いしたと聞きましたが、 こちらがフェローの柏木先生。」 「ええ。実は高校が同じで。な?」 「ああ。はい。」 「あら。そんな奇遇があるのね。」 「まぁ、医者の子供達がたくさん通っていた男子校だったので。」 「へぇ。」 開陵高校は、病院と提携し 早々から医療の勉強ができることもあり 医者、歯医者、獣医などを親にもつ生徒が集まり その経験から必然的に医学の道に進む者が多かった。 俺の家も例外ではなく産婦人科医一家で、 両祖父は、リタイアしているが、元産婦人科医、 父は祖父から継いだ小さな「柏木産院」を 「柏木レディースクリニック」と名を変え、 それを、そこそこ大きくした開業医。 そして母親も助産師として、そのクリニックで働いている。 俺と5つ離れた妹も今看護学校で 助産師になるための勉強をしている。 櫻井先生の父親も確か大学の医学部教授だ。
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