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外来が始まり、看護師達は櫻井先生から離れ、
俺は、櫻井先生の隣にある椅子に座った。
患者が呼ばれるまでの数秒間、
櫻井先生はパソコンの中の患者のカルテを見ながら
俺に話しかけた。
「お前あいつと付き合ってるの?」
「え?あー、薫ちゃんですか?
何言ってるんですか。ないですよ。」
「ふーん。」
「付き合ってるやつ、いんの?」
「別に、いません。」
「ふーん。」
そこへ、「失礼します」という声の後に
開き戸が開き、臨月であろう妊婦が入ってきた。
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