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「先生はね、君が決めたことなら
どっちでもいいと思ってるんだ。
もちろんここでは妊娠と出産のお手伝いをしているわけだけど、
妊娠っていうのは、出産して終わりじゃ無くて、
子育てへと続いていって、
そこからが一番母親にとって大変なんだ。
妊娠して出産までは10ヶ月ほどだけど、
子育てはそれから20年前後続いていく。
だから何歳であろうと
その覚悟があるのなら、産んで育てればいい。
だけど同じように何歳であろうと、覚悟がない人間に
子供は簡単に育てられないんだ。
もちろん、育てる覚悟がなく産んだとしても、
里親に出したり、施設に預けたり、
色々なオプションはある。」
「はい。」
「中絶するにしろ、しないにしろ、
まだ時間はあるから、その間悩めばいい。
産むも、諦めるも、君次第。
どんな決断をしても、喜ぶのも、苦しむのも、君なんだ。
だって妊娠してるのは君だろう?
お母さんじゃないだろう?」
「・・・少し・・・考えて・・・みます。」
「じゃ、お母さんを呼んでもいいかな?」
「はい。」
「先生から、お母さんに言おうか?」
「・・・大丈夫です。自分で言います。」
あんなに硬かった彼女の表情が
少し和らぎ、目には光が見えような気がした。
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