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外来が終わり、薫ちゃんとカフェテリアで昼食を取っていた。
うちの病院は、病院食が美味しいと有名で、
スタッフ用のカフェテリアも毎日飽きない和洋中のメニューだ。
薫ちゃんはミートソーススパゲッティーと
ガーリックブレッドを、
俺は炒飯と麻婆豆腐を選んだ。
この時間は患者の昼食の時間とも重なり
全フロアの医者が集中的にやってきて混んでいるのだが、
ちょうど空いた窓側の席を見つけ、座った。
薫ちゃんはスパゲッティーを食べながら
手を口元で抑えて俺に話しかけた。
「櫻井先生って、クールに見えて
優しいとこあるんだね。」
「そうだね。」
「柏木先生、知り合いなんでしょう?」
「まぁ・・・」
「高校の時とかどんな感じだったの?」
「んー、一言で言ったら、完璧って感じだったかな。」
「じゃ、モテたんだ?」
「男子校だったから・・・よく分からないけど。」
「へぇー。あの見た目で、医者で、優しい。
非の打ち所がなさすぎて、絶対変な癖とかありそうだよね」
「ははは・・・どうかな。」
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