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昼飯を食べ終え、
先ほど薫ちゃんが話していた
トラヴィス・スコットの新曲をイアフォンを着け聴きながら
午後の仕事の前に仮眠室のベンチで一休みしていた。
すると、櫻井先生が入ってきた。
俺が音楽を止めイアフォンを外すと、
櫻井先生は ずっと考えていたことを口に出すように呟いた。
「難しい年齢だよな。
大人がすること、なんでも出来るのに、
決断だけは、まだ上手くできなくって。」
先ほどの少女の話だ。
「お前も進路とか迷ってたもんな。」
座る俺の肩に手を置き、俺の方を見た。
「櫻井先生は、東大医学部一直線でしたもんね。」
すると櫻井先生は、俺から離れ、自分のロッカーの前へと移動した。
「俺は、それしかレールがなかったからな・・・。」
なんだか意味深な言葉の返事に困っていると
櫻井先生は俺に振り向き問いかけた。
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