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「おめでとうございます。女の子ですよ。」
俺と櫻井先生は、上半身で起こっている
感動の時間は関係なく
これからの下半身の処置がある。
胎盤をまず出し、傷口の確認。
「あー、裂けちゃってるなー、
これ縫合出来る?」
「あ、はい。」
会陰切開が間に合わなかったらしい裂けた跡があった。
会陰切開をしていれば
だいたい一直線に綺麗に簡単に縫えるのだが、
そうでない場合は、
複雑に裂けた数カ所を縫わなければいけないケースがあり
今回のケースはそんな感じだ。
お母さんと赤ちゃんとの対面が一通り済んだ後、
「切れたところ、麻酔をして、縫いますね。」
と声をかけ、麻酔を打ち、縫合しはじめた。
何回もやっていることだが、
隣で見ている人のせいで、いつもより緊張した。
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