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「お、俺、ちょっと外の空気吸ってきます。」
激しい動悸でストレス状態になった俺は
全力で、櫻井先生の腕を振り切り
Tシャツとスウェットパンツのまま、部屋を出た。
ダッシュで2階分の階段を飛ぶように下り、
救急が使う建物の後ろ側にある自動ドアへと走った。
外に出た瞬間に体をまとった6月の夜風は
顔の発熱と心臓の脈動を抑えるには暖かすぎだ。
救急車のサイレンが鳴り響く中
俺はしばらく人気のないところに潜み
星ひとつない空を見上げながら、
体の火照りを
時間が解決してくれるのを待った。
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