第1章:First Sight

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「お、俺、ちょっと外の空気吸ってきます。」 激しい動悸でストレス状態になった俺は 全力で、櫻井先生の腕を振り切り Tシャツとスウェットパンツのまま、部屋を出た。 ダッシュで2階分の階段を飛ぶように下り、 救急が使う建物の後ろ側にある自動ドアへと走った。 外に出た瞬間に体をまとった6月の夜風は 顔の発熱と心臓の脈動を抑えるには暖かすぎだ。 救急車のサイレンが鳴り響く中 俺はしばらく人気(ひとけ)のないところに潜み 星ひとつない空を見上げながら、 体の火照りを 時間が解決してくれるのを待った。
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