64人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
それから、数日後。デパートのある売り場に来たレドは、甘目のマスクのかっこいい男性店員から、商品説明を受けていました。
別に私は面食いではないので、かっこよかろうが、そうでなかろうが構わないのですが、昔漫画を描いた習性で、骨格だとか目鼻のバランスだとか、もろもろを観察してしまうくせがあるのです。
もちろん、じ~っと見るわけではないのですが、目に熱でもこもっていたのでしょうか、相手の男性がにっこりと笑った瞬間、私と彼の間にぬっと革ジャンを着た腕が伸びてきて、私の目の前の男性の腰を抱き、私から少し離すと、いきなりキスをしました。
えええええ~~~~~っ!? 真昼間のデパートの中ですよ!!!!!
驚く私に、革ジャンの男性は横目でチラ見してから、俺のものだというように、またその男性の腰を引き寄せ、キスをしました。
気がある女性なら悔しい!と思うのでしょうけれど、私は昔漫画を描いた習性で(言い訳くどい!)、じ~~~~~っ👀と観察です。
あっ、角度変えた。革ジャン男の身長190㎝ぐらいない?ドイツ系かな? 脚長っ!
すると、周囲に人が集まって来る気配が、足音で分かります、革ジャン男の腕の中の男性は、腕を突っ張ろうとしたり、少し唇が離れると、彼をなだめて落ち着かせようとしています。
うわ~~~っ。セクシ~~~~w
ごっつぁんです(人''▽`) すっご~い濃厚!
二人とも、ものすごく美形だし、絵になるな~。できたら写真撮りたいくらいと視線を外すのも忘れ、一部始終を観察してしまいました。
ようやく革ジャン男の手が、店員さんから離れたと思ったら、店員さん、なんか足元がふらついています。
やるな~革ジャン野郎。と内心拍手をしながら顔を見たら、勝ったというように腕を組んで私を見下ろしていました。
えっ?これってやきもちってこと?
だって、あなたたちゲイ同士なんだよね? なんで?
何があなたの闘争心に火をつけたの?とびっくり! 張り合える容姿を持ってない私としては非常に謎でした。
ああいうの目の前で見ちゃうと、ちょっと書きたくなるんですよね。
BLはファンタジーではなく、謎の感情が渦巻くミステリーとして実存するんです。ということで、生び~えるのお話でした。
最初のコメントを投稿しよう!