*嫉妬

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 と、耳元に荒く上がった息を吹きかけられて。  情欲の熱を(はら)んだ、余裕を感じさせない声音で懇願(こんがん)された。 「葵咲(きさき)、お願い。足、閉じて……?」  私は彼が何をしようとしているのか分からないままに、それでも彼の切なげな求めに応じてぎゅっと両足を閉じる。  外でお尻を剥き出しにされているという羞恥心が、いつもに増して股間に力を込めさせた。  すると、そんな私の太ももの(あわい)を割るように、熱いものが押し当てられて――。 「……!?」  それが、理人(りひと)の限界まで張り詰めた屹立(きつりつ)だと悟るのと同時に、彼が私の濡れて温かく湿った谷間を(こす)るように抽送(ちゅうそう)を開始した。  彼のものに押し揉まれて刺激された秘芽が、歓喜に震えたように固く張り詰めていく。  それに連動するように、太ももに挟まれた理人のものをとろとろと濡らすほどの愛液が溢れてきて――。  彼自身の先走りとで、彼が腰を動かすたびに下腹部からクチュクチュと、濡れた淫靡な水音が響き始める。 「……んっ。あぁっ、……り、ひと……っ」  木にしがみ付いていても尚、くず折れそうになる私を、彼がしっかりと後ろから支えてくれる。  中に彼を受け入れなくても、こんなにも理人を感じることが出来るんだと……私は、初めて知った――。
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