*ちゃんと私を感じて欲しい

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 唇を指先でなぞるように触れられて、口の中に人差し指をそっと差し入れられる。  私は理人(りひと)を見つめながら、うっとりとその指を受け入れた。  ただ、彼の指を舐めているだけなのに、何だかとってもエッチな気持ちになるのは何故だろう。  視界がとろんと(かす)んで、ベッドに倒れこんでしまいそうにふわふわした。  理人は私に帯を(ほど)かせることを(あきら)めたらしく、自分でさっさとそれを外してしまった。  彼に支えられるようにしてベッドに寝かされながら、理人が浴衣を脱ぎ捨てる様をぼんやり見つめる。  一瞬、さっきまでの苦労はなんだったんだろう?って思ったけれど、裸になった理人に肌を重ねられて、そんな瑣末(さまつ)なことはすぐに気にならなくなってしまった。 「キミが学生の間は、ちゃんと避妊しないとね」  理人はベッドの(みや)に手を伸ばすと、さっき見せてくれた包みをひとつ手に取ると、片手に持って封を噛み切った。  そこで私の口から指を抜き取ると、代わりに口付けを落としてくれる。  さっきまで彼の指に蹂躙(じゅうりん)されていた口腔内(こうこうない)は、彼の舌の求めにも(よろこ)んで応じてしまう。  と、私の唾液で濡れた理人の指が、下に伸びてきて――。  敏感になった中心を濡れた指で押しつぶすように(こす)られ、爪弾(つまび)かれると、腰が浮いてしまうほど感じてしまった。 「ひゃぁんっ」  あまりの快感に、口付けされているにも関わらず、思わず変な声が出てしまって恥ずかしくて――。
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