*ちゃんと私を感じて欲しい

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 私も、それに気が付いて理人(りひと)の左手に口付ける。  左手、と言うより指輪に――。  今になって、指輪に彼との繋がりをひしひしと感じてしまったから。  理人と、指輪を通して1つになれているような……うまく言えないけれどそんな感覚。  と、理人の動きが深く激しくなって。私も最奥(さいおく)穿(うが)たれる刺激に、突き上げられている奥の辺りから、何かが湧き上がってくるのを感じた。  その吹き上がってきた液体が、2人が交わった部分を熱く濡らすのが分かった。  それは初めての感覚で――。「え? 何?」と思っていたら、 「葵咲(きさき)、感じてくれたんだね……」  理人が、肩に担いだ私の足に口付けながら、うっとりと呟いた。  未だ羽織ったままで、結局最後まで脱ぐことのなかった私の浴衣の後ろ身頃は、私から溢れ出た体液でしとどに濡れそぼっていた。  なんか、冷たい……。  さらさらとしたそれは、すぐに冷えて冷たさを訴えてくる。  そのときには自分でも何が起こったのか分からなくて……お漏らししてしまったのかも、とか恥ずかしく思ったけれど、理人は私のその状態に気が付くと、酷く嬉しそうにしていた。  私はというと、自分の身に何が起こったのか分からなくて、戸惑うばかり……。  とりあえず理人に引かれたりしていないみたいで良かった、と心の底から安堵(あんど)したことだけは確かで――。 「お風呂行こうか」  私のその状態に気が付いた理人が、腕から浴衣を抜き取って私を裸にすると、濡れていないところに座らせてくれる。
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