目覚めてみると

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 カーテン越しに差し込む淡い陽光に目を覚ました僕は、ぼんやりしか見えない視界にまず驚いた。  どうやら僕はベッドに横たわっているらしい。  着ていたはずのスーツは脱がされていて、見慣れない病衣を着せられていた。  ベッド横に目を転じると、点滴らしき透明な袋がなんとなく見える。 (病院……?)  いつもならコンタクトレンズをしているはずなんだけど、ここに運ばれた時に医療関係者によって取り除かれたんだろう。ド近眼な僕の目は、裸眼ではほとんど何も見えなかった。  眼鏡……。  コンタクトは無理にしてもせめて眼鏡ぐらいは欲しい。  淡い期待を覚えてベッドサイドによく見えない視線を転じると、見慣れた眼鏡ケースが置かれていた。  母親か父親が、僕のアパートから持ってきてくれたんだろうか。  僕の勤め先は地元の大学なので、本当は実家から通うこともできたけれど、僕は社会人になったけじめとして市内にアパートを借りて暮らしていた。  緊急用に、と一応実家には合鍵を渡していたから、きっとそれを使ったんだろう。
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