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「おはようございます。あのっ、今日からお世話になります、丸山葵咲です」
ああ、なんてイメージ通りの可愛らしい声をしてるんだろう!!
それに……今時珍しいくらい礼儀正しい女の子じゃないかっ!
あまりに好みのど真ん中過ぎて、僕は柄にもなく顔がにやけてしまいそうになる。
いかん、いかん。落ち着けっ、僕!!
僕は一瞬だけ下を向くと、昂る気持ちと一緒にフッと息を吐き出した。
そうして顔を上げた時には、にやけ顔なんてどこへやら。至極さわやかな笑顔を彼女に向けることができた。
「おはよう、葵咲ちゃん。待たせてしまったみたいでごめんね。僕が今日から葵咲ちゃんと一緒に学校へ行く池本理人です。池本さんじゃ何か落ち着かないし、下の名前か……そうだな。もし嫌じゃなければお兄ちゃん、と呼んでくれたら嬉しいな?」
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