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 ものの数秒であった。  四十歳童貞の加藤のムスコは、アザミの口淫に耐え切れず、あっという間に暴発した。  これは、加藤のムスコに耐性がなかったという以上に、アザミの口の中が悪い。  舌など、なにがどう動けばこんな快感を生み出すんだ、というほどに縦横無尽に肉棒に絡みつき、絶妙な吸いつきと舌技に、加藤は敢え無く屈服した。  野球で言えば完全試合だ。いや、加藤は野球など観ないけれど。  射精の快楽に加藤が放心していると、アザミの白い喉がこくりと動いて、口腔にぶちまけたそれを嚥下した。  まさか飲むなんて……そんなのはAVの中のことだけだと思っていた。  ぎょっとした加藤は、さらに目を見開く。  アザミが、鈴口に残った白濁までもを、ちゅう、と舐めだしたからだ。  お掃除フェラ、という単語が頭をよぎる。  加藤は童貞だが、耳年増なので用語だけは知っている。  まさかそれを、自分で体験することになるとは思っていなかったが……。  ちからなく、くたりと垂れた陰茎を握り、その先端をぺろぺろと舌できれいにしてくれているアザミの髪を、加藤は無意識に掴んでいた。  アザミが伏せていた顔をチラと上げ、目を細めて淫靡に微笑む。  口元のホクロがなんとも言えずセクシーだ。 「んっ、んぅっ」  加藤のそれを舐めていたアザミが、不意に鼻声を漏らした。  ふと見れば、アザミの足をしゃぶっていた会長が、徐々にその位置を移動させてきている。  網タイツの上からちゅばちゅばと唇を這わせながら下腹部の方へと上がってきた会長が、そこを覆っていた黒いエプロンをもどかしげに脇へと払いのけた。  露わになったアザミの陰部に、加藤の目が釘付けになった。    アザミのそこは、無毛だったのだ。パイパンだ。つるつるだ。  そこに形の良い性器が息づいている。  まだ芯を持たないそれを会長が掴み、上からよだれを垂らした。  つー……と糸を引くそれが、初々しいような色のアザミの鈴口を濡らす。 「あっ」  ひくん、とアザミが肩を揺らした。  加藤の肉棒を握ったままで、思わず、というようにそこから口を離す。  会長の方へ顔を向けたアザミに気を良くしたのか、会長がにまにまとゆるめた口から、大きな舌をべっと出して、見せつけるようにゆっくりとアザミのペニスを舐め始めた。 「んんっ、あ、ああ……」  ぴちゃぴちゃと(ねぶ)られ、先端を吸われて、アザミが熱い吐息を漏らす。  その声にすら、淫靡な色が溶けていて、加藤はごくりと生唾を飲み込んだ。  アザミの腰が、淫らにくねる。それに合わせて、彼の纏うエプロンが衣擦れの音を立てた。  アザミはもはや、会長のフェラチオに夢中だ。  加藤の太ももに頭を預ける形でソファに横たわり、下腹部に顔を埋めている会長の、白髪混じりの髪を指先で梳いている。  切なげに顰められた眉が、彼の快感を物語っていて。  自分だって、アザミにこんな顔をさせたい、という思いに加藤は駆られた。  加藤の視線に気付いたのか、アザミの少し潤んだ瞳が動き、加藤を見上げてとろりと笑った。  加藤の手に、アザミの細い指が絡みつく。  赤い爪が、目の奥に焼き付いた。    アザミが握った加藤の手を、自身の胸元へと導いてゆく。  幅の狭いエプロンでは、隠し切れていない、アザミの乳首。  それは茱萸(ぐみ)のように色づいて、つんと勃ち上がっていた。  触って、と。  アザミの唇が囁いた。    加藤はもう一度ごくりと喉を鳴らすと、おずおずと、胸の粒を摘まんだ。  弾力のある乳首は、AVで見た女のものよりも小さかったが、加藤はその触り心地にすぐに夢中になった。  ぷにぷにと指の腹で押し、こりこりと捏ねる。  粒はどんどん硬くしこる。  触っているだけで気持ちいい。もっと触りたいし、もっと弄りたくなる。    加藤の興奮のボルテージに呼応して、アザミの息も乱れてきた。  じゅぼじゅぼと陰茎をしゃぶる会長の動きも早くなっている。   「ああっ、あっ、あんっ」  こらえきれない、というように、アザミが喘いだ。  白い喉元が艶めかしいカーブを描いている。  加藤は我慢できなくなり、がばっと上体を倒すと、アザミの乳首にむしゃぶりついた。 「あっ、だめっ、あ、あっ、ああっ」  だめ、という言葉とは裏腹に、更なる愛撫を強請るかのようにアザミの胸が突き出される。  加藤は乳首を赤子のように無心に吸い、じゅっじゅっと音を立てて唾液を絡めた。  小さな粒を口の中で転がすだけでは飽き足らず、もっと味わいたくて、歯を立てる。  軽い甘噛みに、アザミの背がソファから浮いた。 「ひっ、あ、あんっ、も、もっと、もっと噛んでっ」    片手で加藤の頭を。  もう片方の腕で会長の頭を引き寄せたアザミが、甘い声で乞う。  会長が口の中いっぱいにアザミのペニスを咥え、じゅるるるっと吸いついた。  加藤も負けじと指と舌で乳首を愛撫する。 「あ、あっ、イ、イくっ、ああっ、イ、イくぅっ」  びくんっ、とアザミの体が大きく跳ねた。  会長は唇を離さない。  男の口腔内に、アザミの放つ白濁はすべて受け止められた。    アザミの乱れる様を見ていた加藤のムスコは、俄然元気を取り戻してしまう。  アザミのあの細腰を掴んで。  思い切り揺さぶりながら、突き上げてみたい、と。  AVで鍛え上げた加藤の妄想が脳内で膨らんでゆく。  妄想に伴って、ムスコも膨らんだ。さっき一度放ったというのに、もうビンビンに勃起している。  その加藤の元気なムスコに、アザミがとろりと濡れた目を向けた。  アザミは加藤の太ももに頭を乗せていたので、気付かれるのは当然だった。    くすり、と彼の口元のホクロが歪む。  アザミの細い指先が、すりすりと筋の浮いた幹を撫でて……。  呼気を整えながら、アザミがゆっくりと起き上がる。    さらりと流れた長い髪から、ふわりと良い匂いが漂ってきた。    アザミは今度は足元側に居た会長と向かい合わせの形で、ソファの上に膝を乗り上げ、会長の肩へと腕を置いた。  加藤に向けられた背は白く、そこにエプロンの黒い紐が淫らに絡みついている。  尻は丸見えだ。  肉付きは薄そうなのに、そのなめらかな丸みが妙に淫靡に見えて……加藤は気付けばアザミの尻を掴んで、揉んでいた。  その、加藤の手の甲に、アザミの手が被さってくる。  勝手に触ったことを咎められるのかと思いきや、アザミは重ねた手にちからをこめて、加藤のてのひらを尻たぶへと食い込ませた。  そしてそのまま……。  むに、と左右へ開いたのだ。  自然、後ろのすぼまりが露わになる。  そこはまだ、慎ましく閉じていたけれど……濡れていた。  後孔が、濡れているのだ。  加藤は驚きに目を見張った。  ふふ……と吐息のようにアザミが笑う。 「挿れたいかい?」 「……え?」 「僕のここに、きみのそれを」  ひくり、と襞が蠢いた。  アザミの中から、とろりとしたローションが滴ってくる。  こんな……加藤の肉棒に奉仕をして、会長に足を舐められていたときから、アザミの孔は男を欲してこんなに濡れていたのかと思うと……言い知れぬ欲望に、加藤の頭の芯が熱を持つ。 「……挿れたい、です」  乾いた声で、加藤は答えた。  その返事に、アザミがまた笑う。妖艶に。唇を歪めて。  ゆらり、と小さく尻を揺らして。  アザミが流し目で加藤を見上げてきた。 「いいよ。……おいで」  濡れた孔が、加藤を誘った……。    
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