同じ蜜を・・・

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「またエロな喫茶店やなあ」 「せやろ!」 正孝は嬉しそうに薄闇の店内に 妖し気な総鏡張りの天井を 見上げて“男らしい”笑みを。 高い塀にしたボックスシート。 音楽がうるさすぎて判らないが ほぼ満席なのが天井に映ってる。 「  ?  !  」 映ってるのは半裸の男女・・・ 鏡は万華鏡の仕掛け・・・ そう簡単に容姿は見破れない。 赤ランプが点いてるトコが“空き” 「“弄られたい女”が待ってる」 「お、いい感じじゃない?」 正孝が選んだのは少し熟女。 品の悪くない服装の二人。 「一緒してよろしいですか?」 甘えるように責めるやり方、変わらず、 会話が弾む度に、肩を、腰を 軽く抱いて、強く抱いて、 外科医らしい繊細な指が女の膝を 軟らかな遊泳・・・腿の滑り台、 止まって・・・進んで、戻る。 女は堪り兼ねて腰を前に脚を緩める。 すかさずジャンプして・・・ 指は見えないけれどなかなか 激しく泳いでいるのが 女の閉じた瞼の痙攣でわかる。 僕は・・・隣の女の3つの丘を 登山下山を繰り返しながら 天井の万華鏡を眺めていた・・・
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