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「い・・・い・・・・」
喘ぎを抑えた柊子の顔と裏腹に
夜嵐にしなる竹のように
うねる身体が俺を獣にする。
「俺を、俺を好きだと」
「・・・好きィ・・・」
「俺がいないと生きていけないと」
「貴方がァ、いないと・・・あうっ」
「俺から離れられないと言え!」
「ああ!貴方のぉ、貴方が気持ち
いいィ、いいのぉぉお!」
美しい・・・焦がれ続けた
美しい顔に、俺の“恋水”を!
「あうっ!!」
果てて崩れる柊子に慌てる。
「あ、あ、申し訳ありません!」
「よろしくて・・・よろしくてよ、
金で買われた身の上ですもの・・・」
「買ったなんて・・・」
俺の獸は羞恥を取り戻す、
幼心に憧れた人を汚した罪が襲う・・・。
柊子が身体を拭いている後ろで
彼女の衣服に札束を隠す・・・
時代が変わって生きる術ない女を
汚した罪の償い・・・
けれども俺は来週の火曜日も
この邸の、この温室で
哀れな女に溺れて苦悩するのだ。
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