片隅の花

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「もう・・・そろそろ  ねえ・・・もう・・あぁ・・・」 「時間を気にしてるのに  “ここ”が“僕”を離さない」 “僕らの鎖”を指差して “影に隠れた淫らなクコの実”を 音を響かせ執拗に苛める。 「そんなに・・・されたらぁ  帰れ・・・なくなるぅ!」 最後の1秒までも僕らは貪る・・・ 東京老舗菓子屋の娘と結婚、 銀行勤めのときの取引先。 妻は美しいけれど、 家と美貌を鼻にかけた “潤い”の欠片もない女。 上役の言いなりに結婚なんか するもんじゃない・・・後悔の矢先 義理の兄嫁と出張先で・・・ 弾みで“こう”なった・・・ 義兄の勧めで銀行を辞めて 菓子屋の専務になり、義兄の手助け。 そして・・・家族の目を盗んで 蕀のように僕らは絡まる・・・ 乾かぬグロスの義姉の“下唇”に 触れたいがために 毎日・・・妻に、店に、仕えている。
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