棘の香り

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棘の香り

焦れてた女のワンピースは 一滑りで剥げて椅子の背もたれへ。 熱帯林の枝のように 絡む女の身体を楽しみながら ネクタイ・シャツと そのワンピースの上に。 それはさながら僕らの影絵。 ピタリと密着して・・・ 違うのは僕らの動き・・・ 妻なら顔を紅らめて 小動きになる湿った音、 真逆の理恵は 四面に響きわたるのを 見えない肉をひくつかせ 「もっと・・・もっとぉ」 果てしないクレシェンド・・・ ピアノ教師の理恵は 身体までも優れた楽器・・・ 僕は1年ほど・・・聞き惚れてる。
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