棘の香り

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「3週間・・・ぶりね」 ビールをグラスに注いで カーテンを開ける理恵に 「一口にしておくよ、  まだ仕事があるからね」 「やり手証券マンはお忙しいのね」 放っておいた皮肉の口を 閉じるように舌を絡めて・・・ 指は・・・ 「窓ォ・・・開いてぇ  ああ・・・いるぅうう・・・」 「君の好きな曲を弾こうか」 「ああっっ、弾いてぇ、もっと」 柔らかな湿った鍵盤がまた 僕を誘い・・・・・・・ 「すっかり夕暮れになった」 高層ホテルから正面に夕陽・・・ 「夜はどうするの?帰るの?  約束でもあるのかい?」 「美也子と麻布で夕食よ」 「え?!」 美也子は僕の妻、理恵の親友・・・。  
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