令嬢・・・落花

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令嬢・・・落花

「ねぇ・・・わたくしを堕落して」 柊子の顎を乱暴にとる。 ーわたくしを堕落ー   男爵・久瀬宮家の嬢が、今、 俺を、一糸纏わぬなりで、見上げている。 堕落の“一槍”を柊子が喉まで受ける。 「はぁ・・・・うぅっ」 呻いたのは俺・・・ いつも奥座敷で高潔な笑みを 浮かべていた“憧れの女”が “俺”を貪り・・・吸い上げ・・・ 「ああ・・・貴方が教えた・・・  快楽を・・ねえ・・・して下さい」 愛眼を向ける・・・ 「だったら脚を、お前の全てを  ・・・自分で開くんだ」 男爵家の温室に漂う柊子の淫臭・・・ 俺に垣間見える躊躇は 俺の身分のせい・・・ 俺はしがない出入り商人の息子。 柊子の家に食料を売りにきていた 八百屋の息子、外国帰りの柊子のように インテリでも何でもない。 ただ、戦後のドサクサで 八百屋は食料卸会社になった。 俺は社長・・・ 令嬢は爵位を無くし、財も消え、 俺に週に1度・・・ 買われる身の上になってしまった。
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