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花の影 3
「嘘をついてるわけではないわ」
口紅をつけながら独り言。
夕暮れ、慌ただしい駅の化粧室。
週に2度のアルバイト、
英会話教室で個人lesson
二時間ほど生徒と語らう。
狭い室内だもの、体も触れるわ。
机は1つだもの、膝は詰まる。
お互いの手のやり場に困るから
生徒の手が“奥”へきても・・・
防音壁に手をついて立つと
生徒が“後ろに重なる”狭い部屋。
better に“身体が揺れ”ても
仕方がないの、これも“lesson”。
夫が細かく業務内容を
尋ねるわけでもないんだし。
帰りの駅で身支度すれば
私は普通の主婦になる。
私の淫らを知っているのは
いつもの、この鏡だけ・・・。
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