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「そうかい?それじゃあー失礼するよ」
3はどこか拍子抜けしたような顔をして、歩き出そうとした。
「あ、ちょっと待って」
3はおずおずと振り向いた。
「どうやってーここから出ればいいのかな?それだけ教えてくれよ」
3は馬鹿丁寧にその答えを教えてくれた。その答えは小学校の算数のように単純明快だった。僕がお礼を言うと、猫のように俊敏な動作で闇の中へ消えていった。僕はその残像をぼんやりと見送った。
「おい」ぐっと肩を掴まれ、振り返ると、先輩が立っていた。「発狂するなら、せめて計算式を直してからにしてくれよ」
僕はその手を振り切って、窓辺に向かって駆け出した。答えは単純明快だった。僕は窓から勢いよく飛び降りた。かくしてある世界から3が消え、あるブラック企業から僕が消えた。午前?ay?:*o*me√r時のことだった。
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