オツカレ3

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 そこで僕は目が覚めた。ずいぶん変てこな夢だった。デスクの上のコーヒーはもうすっかり冷めていた。    目の前の画面には計算途中の予算表が開かれたままだった。起きたばかりの目に、パソコンの冷たい光が刺さる。ディスプレイの端に貼られた色とりどりの蛍光色の付箋が、冷房に吹かれて揺れていた。先ほどの夢はそういう現実のはっきりした景色の中へ、あっという間に溶けて消えてしまった。  隣では僕と同じように限界を迎えた先輩が、デスクへ突っ伏して居眠りしていた。作りかけのプレゼン資料が彼の枕がわりになっている。その乾ききった青色の唇から、時折「すいません」とか「有給返上でやらせてください」とかいう寝言が漏れている。 「先輩、先輩」僕が乱暴に揺さぶると、先輩ははっとして起き上がった。 「うわ、やばい」先輩は何かに急かされるように立ち上がった。「俺、寝てた?」 「はい、気持ちよさそうに寝てましたよ」 「今、何時?」 「えっと…」  僕はオフィスの端に置かれたデジタル時計を見やった。そこにはこう書かれてあった。 「午前?ay?:*o*me√r時24分」  僕は時計が壊れているのだと思い、今度はパソコンの画面を見やった。だが書かれてあることは同じだった。スマホを見ても、同じだった。
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