〈第2歩〉

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〈第2歩〉

そんな、先週の出来事を思い返しながら味噌ラーメンを作る。 ラジオからは、タツミくんの軽快なトーク。また出前を頼んでくるんじゃないかって、冷や冷やする。 すると、キタガワが突然あっと声を上げた。 「そうそう。にーさん、今日ホノカ、来るらしいっす」 「あちっ」 スープがお玉から溢れて、どんぶりを持つ俺の手に掛かった。 「あれれぇ、にーさん、何でそんなに動揺してんすか?やっぱり?やっぱり?ホノカにー?」 「動揺するか、バカ。そんなんじゃないって、前から言ってるだろうが」 「へえぇ?そう言ってるヒトが、ラーメンの味なんか簡単に変えませんよねぇ?キシシ。 オレ、にーさんの応援団すから。何でも言って下さいよぉ?」 小憎らしい笑みを浮かべて、キタガワは出来上がった味噌三つを、お客に運んでいった。 また俺は、過去の出来事を思い返す。 今年の春の事。タツミくんが帰国する少し前の話。 キタガワが【きたいわ屋】に慣れてきて、友達を呼びたいんすけどいいすか?と俺に聞いてきた。 誰?大学の仲間?と聞いたら、 いや、高校の時ので、女なんすけどね、と、妙に真面目な顔をして、キタガワは言った。 …
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