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日常
「ねぇねぇ!!本格的に夏になってきたじゃ
ん?」
「そうだよね…、暑くて死にそう…。」
私は、昼ごはんを食べながら二人の会話を聞
いていた。
元気よく喋るほうが多恵(たえ)ちゃんで今
にも暑くてスライムになりそうな綾(あ
や)ちゃんは、私を挟んで会話をしていた。
二人は一見チャラく見えているけど、本当は
優しい子で最初は驚いた。
入学早々に声を掛けられ、私の青春は灰色
になる覚悟をしたが、ただの道案内で聞かれ
ただけで…。
そこから、仲良しになって今もこうして三人
で固まっているのだ。
「それでさ!秋ちゃんは夏服買った?」
その言葉に、私は首を横に降った。
「夏服ってどんなのがいいかな?」
私は、おしゃれにあまり興味がないのでこう
いう話題をすると参考になるので、嬉しかっ
た。
「それはもうー。」
「露出度が高い服でしょ!!」
綾ちゃんは、多恵ちゃんを突き飛ばすように
体当たりをし、声を遮るように大きな声で突
っ込んできた。
「露出度高い服を着て、男を誘惑すれ
ば……!」
すると、多恵ちゃんは静かに綾ちゃんの肩を
ポンッと叩き言った。
「絶対着るなよ。」
「…へ?」
「綾…、その体型で絶対着るなよ…。」
「…はい。」
「………。」
すると、二人は沈黙状態になったが次第にそ
の空気が可笑しかったのか、その後大きな笑
いの渦が起こった。
「もう、変なこと言うのやめてよね!てか、
綾!また、そんなダサい服着てるし…!」
たえちゃんは、綾ちゃんの服を指差し笑って
いた。
「これが好きなんだもーん!」
「はいはい、そうですか。……ん?誰だーー
ー!!私のウィンナーとったやつ!?」
すると、綾ちゃんは静かに手を上げ名乗り出
た。
「よくも食ってくれたなー!!」
「私の、センスを馬鹿にしたからだ!!」
こうして毎日のようにふざけ合ってる綾ちゃ
んと多恵ちゃんだが、そんな二人のやり取り
を見ているのが私は好きだった。
でも……。
女の子なのだから、たまには喧嘩をしない日
もあった方がいいのでは?
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