ブラッディバースデー

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「ふ、藤代さん!あれってまさか……!?」 「俺が行く!お前はここで、犯人が出てきたら迎え撃て!ただし無理はするな、応援を呼べ!」  現場の家に着くと、予定より早いというのに窓からはためく赤いレースカーテンが見えた。  しまった!拳銃携帯の許可はない。警棒を構え、玄関へと近づく。  バンッ!何かが強く叩きつけられるような音が響き、俺は一気にドアを開けた。瞬間、黒い何かが飛び出す。  全身黒づくめの、犯人。手には血に濡れたサバイバルナイフ。そして、右目からおびただしい量の血を流して。  犯人は、俺に気付くと慌てて逃げる。追いかけようとしたら「待てっ!」と、背中にドスッ!と衝撃。  いきなり体当たりしてきた誰かもろとも、玄関の階段から転がり落ちて。その隙に犯人は逃走。外で見張っていた同僚は、ビビッて車の中で震えているなんて。  せっかく、連続殺人の凶悪犯を逮捕できると思ったのに。犯人を追っていたらしい、俺の腰にしがみついている誰かを振り返れば、子供だった。
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