拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか?

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 ずっと会いたいとは思っていたが。仮にも警察の家に正体不明の少年を招いて何かあっては俺も、警察組織もヤバい。どうする?  家に上げてやりたい俺の良心と、警察としてのプライドが脳内で激しく殴り合う。すると「グゥキュルキュルゥゥー」と、可愛らしい音が聞こえた。  油断した、警察としてのプライドがノックアウト。俺は腹を押さえる少年の肩を押して家のドアを開けた。  どこも濡れていないのにタオルを貸してほしいと言われ渡せば、黒い傘を丁寧に拭く。そしてそのまま手に持っていく。  注意すれば、汚さないからどうしてもと押し切られた。床に座り、落ち着いた様子で何かを取り出す。 「これ、なーんだ?そう、盗聴器!ここに仕掛けてあるよ、合法の。あなたが留守の時にお邪魔したのも、合法」 「よし、明日警察署に行くぞ」 「だから合法だって。ほら?あなたの想像通り僕は警察の犬だからさ、許されてんの」  ネタバラシがエグイ。取り出したのは小型のレシーバー。慣れた手つきで壁のコンセントを解体し、盗聴器の登場。  超笑顔だが、俺は青ざめる。ガチのストーカー被害。いやそれよりも、顎を上げ首元を指さした少年のそこには黒い首輪。
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