図書室での戯れ

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もう少しで来るかな? その前に、ポッケに隠した鏡とリップを取り出す。 時計を見て、胸が高鳴る。 ガラガラ 図書室の古いドアが開く音がした。 3 2 1 「ねぇ、その本面白い?」 「うん」 話しかけられても、恥ずかしくてそっけなくしてしまう。 (……せっかく、話してくれたのに) 貴方が傍にいると、顔が熱くて 心臓がどきどきして、たまに横顔を見上げるの。 その柔らかそうな髪も、笑うとなくなっちゃう目も大好きで。 無防備に投げ出されている、大きな手を握りたい。 嫌われちゃうかな。 きっと私は可笑しい。 ずっとずっと隣に居てほしい。 私だけを見ていてほしい。 その笑顔、その声も全部全部私だけのものになってほしい。 そんなことを思いながら、貴方の隣にいるの知らないでしょう?
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