初夏、別れは突然に

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 目が覚めた時、見えたのは白い天井と白い壁。そして、消毒液の匂い。 『病院のベッドか…。あっ、今は何時だ?!子ども達は?!』 慌ててベッドから起き上がろうとすると、ふわっと肩を抑えられたら。 この人は…神ちゃんの上司? 「体調はもう大丈夫ですか?」 と耳触りの良い声で尋ねてくる。 「ご迷惑おかけしました。申し訳ありませんが今は何時でしょうか?私、ゆっくり寝てる場合じゃ…。」 そう答えてベッドから這い出す為に再び動き出す。 「葵さんが倒れてから2時間ほど経過しました。あの後、ご主人のご両親も病院からの連絡で到着されて、葵さんの代わりに話を進めてくださっています。お子さん達は神崎と一緒にいますよ。」  あー、なんてことだろう。私が一番頑張らなきゃいけない時に…子ども達のケアも葬儀のことだって…寝てる場合じゃないじゃないか…!  急いで立ち上がろうとして再び目の前が暗転する。  こんなはずじゃないのに。身体が言うことを聞かない。運良く目の前の人に支えられ、ベッドに座らされる。ふと香った相手の香り、さっきもこの香りを嗅いだ気がする。 そうこうしている間にナースコールを押され、医師とナースがやってきた。  疲れと、極度のストレスが原因だろうと言われた。それはそうだろう。夫が事故にあい、二日間ほぼ寝れずに病院に泊まり込んでいたのだから。  
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